約6,700件の投稿・返信データを分析 マンション入居前は「地域や子育て」に、入居後は「お譲り」へと興味の内容が遷移
株式会社コネプラ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中村 磨樹央、以下コネプラ)は、同社が企画・開発・運営をするマンションのコミュニティ醸成アプリ「GOKINJO(ゴキンジョ)」上にてやり取りされた投稿・返信データの中から、新築マンション入居前後の期間にやり取りされたGOKINJOユーザーによる投稿・返信データ約6,700件に着目し、「新築マンション購入者間コミュニティの興味点解析」を実施しましたのでお知らせします。
■主な分析結果トピックス
- 6か月間の投稿/返信数は、6,700件を超え、平均MAU率は90%
- 引き渡し前と引き渡し(引っ越し)後で居住者の投稿内容に変化が見られ、興味の対象が遷移
- 引っ越し時の不用品交換などのほか、共用部のルールや一般的なマナーに関する自発的なコミュニケーションを通して、マンション内のニーズや課題が可視化される効果を確認
本解析は、マンション購入後から入居に至るまでの各シーンにおけるユーザーの関心・ニーズを抽出することで、マンション内コミュニティの活性化やユーザーの生活満足度向上施策の提案に繋げることを目的に実施したものです。本解析では、マンション購入後から入居後までのシーンを3つの期間に分けて解析を実施しました。
■分析の概要と結果
- GOKINJO導入物件概要:2023年竣工 東京都内約200戸 分譲マンション
- 分析方法:GOKINJOアプリ利用者投稿データ解析
- 分析期間(合計6か月):期間①【アプリ利用開始~内覧会】(約3か月間)/期間②【内覧会~引き渡し】(約2か月間)/期間③【引き渡し~】(約1か月)
1.MAU率(MAU/登録者数)および投稿数・返信数の推移
期間①~③において、投稿・返信数は、6,700件以上となり、非常に活発なユーザー間の交流がなされました。サービス開始直後の期間①では、投稿・返信数の伸びはゆるやかながらもMAU率は80%以上をキープ。その後、内覧会を境に期間②に入ると投稿・返信数が急増、以降期間③に至るまでMAU率は平均90%を超えています。また期間②以降は投稿1件につき平均10件程度の返信があり、非常に活発な住民間の交流がなされていることが確認できます。
※MAU:Monthly Active Usersの略で月に一度以上アプリを開くユーザーを表す指標
MAU率(MAU/登録者数)推移
のべ投稿・返信数の推移
2.期間毎の投稿内容変化の傾向
ユーザーの興味関心の変化を分析するため、全ての投稿を下記のカテゴリーに分類しました。
- 生活:引越し、電気・水道・ガス、家具、家電、収納、保険、インターネット、等
- マンション関連:建具寸法、コンロ等設備、ハウスコーティング、搬入、駐車場・駐輪場、共用部、等
- 地域情報:おすすめのお店、市役所、交通機関、地域イベント、等
- 情報共有 現場:マンション建設現場の進捗に関する情報、等
- 育児・子育て:育児・子育てに関わる質問や情報交換、等
- お譲り:使わなくなった家具や消耗品のお譲り
- 内覧会・確認会:内覧会や確認会、引渡しそのものに関する質問や情報共有等
- 問い合わせ:売主やGOKINJOへの要望や問い合わせ等
- 自治会・管理組合:自治会や管理組合に関する質問や情報共有等
- 防犯・防災:防犯・防災に関する質問や情報共有等
- その他:上記に分類できない投稿
カテゴリー別ののべ投稿数推移
各期間のカテゴリー別投稿数
各期間で大きく投稿数が伸びたカテゴリーには、以下のようなものがありました。
期間①【サービス開始~内覧会】:情報共有 現場
期間②【内覧会~引き渡し】:生活、マンション関連、地域情報、育児・子育て
期間③【引き渡し~】:お譲り、その他(共用部の利用ルールなど)
期間①では、マンション建設現場の進捗に関する情報共有が主となっており、投稿・返信数も大きく伸びていませんが、内覧会を境に期間②へ入ると、生活・マンション関連・地域情報・育児・子育てカテゴリーの投稿が急増しました。これは新生活開始や引越しが間近に迫ることで発生する、具体的な疑問や不安といった情報共有ニーズが顕在化したことに起因すると考えられます。また順次入居が進み期間③へ入ると、お譲り、その他の投稿が増え始めました。引越しの際持ってはきたものの不要と判断された家具や消耗品が活発に交換されており、ユーザーの「捨てる手間の削減」と「環境・社会への貢献」に対する両方のニーズの充足にGOKINJOが貢献していると考えられます。またその他の投稿では共用部の利用ルールや一般的なマナーに関する質問や情報共有が活発にやり取りされており、マンション内の課題やニーズが可視化されると共に、区分所有者一人ひとりが自分ごとと捉えて関心を持ち、情報の共有・交換がアプリ上でなされていることが確認されました。
3.問題解決や情報共有に関する投稿事例
ユーザー間での問題解決や情報共有の例をいくつかピックアップしてご紹介します。
- 内覧会や確認会の感想共有(返信数:90件)
- 共用スペースの利用ルールに関する質問(返信数:約80件)キッズスペースの使い方について。ルールの確認だけでなく、利用状況の共有など。
- 大型家具の搬入についての質問(返信数:約10件)冷蔵庫搬入時にリビングのドアを外す必要があるかどうか?という質問に対し、冷蔵庫の型番・寸 法を添えた実例回答が複数寄せられた。
- 転居に関する手続き関連の質問(返信数:約50件)残金請求書や入居後申請できる補助金に関する質問など。
- 専有部の設置物(カーテン等)に関する質問(返信数:約50件)先に入居されている方から情報・写真が共有され、ベストプラクティスをシェアしていく動き
【ユーザー間での問題解決や情報共有に関する投稿・返信の中で、特に興味深かった事例】
4.今後について
今回の分析では、挨拶投稿事例に見られるように、ツール導入によりマンション内コミュニティの活性化に繋がることが明らかになったほか、引越し手続、冷蔵庫等の大型家具搬入時の注意事項等などで情報を求める方が多いこともわかり、今後、生活満足度向上のための施策につながる基礎データを抽出することが出来ました。また、マンション居住者による日常的なつながりが生まれることは、大規模修繕等でのスムーズな意思決定や、災害時の共助につながるものと思われます。さらに町会・自治会などにおいても、GOKINJOの導入により日頃から住民同士が繋がることで、課題解決の一助になるものと考えられます。当社は「それぞれが ちょうど良い ご近所付き合いができる 社会をつくる」というミッション実現に向けて、今後もマンションや自治会等、様々な地域コミュニティにおいてGOKINJOデータを用いた興味点解析、コミュニティ分析を行い、満足度向上施策の提案・より良い地域の繋がりづくりに貢献してまいります。