マンションの防災(自宅住戸・備蓄品編)

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2023.4.6

近年様々な災害が発生しており、いつ自分自身が被災者となるかわかりません。

災害の備えは「自助」「共助」「公助」に分けられると言われ、マンションで言えば「自助」=自分自身、自宅住戸の単位、「共助」=マンション全体やマンションを含む自治会の単位、「公助」=行政(救急、消防、物資支給や避難所など)となります。

ともすると「公助」=行政がなんとかしてくれるだろうという発想になりがちですが、特に大きな災害が発生すると、行政はとてもではありませんが全住民に対してすぐには十分に手が回りません。

住戸が壊滅、長期化して仮設住宅が建てられるような状況になると行政がメインにはなりますが、致命的なダメージを受けにくいマンション等ですと、在宅しながら自助・共助で発災後を過ごすことを想定することが重要です。

中でもまずは、災害発生直後の危険回避や、インフラ復旧等に時間を要する際の備蓄など、「自助」に関する部分は自分自身や家族の生命やQOL(Quolity Of Life=生活の質)を保つことに直結することであり、大変重要な部分です。

自助でできることは何か?まずは備蓄品の例をご紹介していきます。

■水・食品類

昔は乾パンなど「災害用で特殊なもの」ばかりだったのですが、近年では普通の食品とほぼ同じ味なのに長期保存できる水・パン・レトルト食品・ごはんなど、備蓄品でありながらも賞味期限が迫ってきたらおいしく食べつつ買い換える「ローリングストック」に向いている商品がたくさん出ています。長期になれば公助での配給品も期待できますが、その体制が整うまでの3日~1週間分は用意しておくべきでしょう。なお、何も特別な備蓄品だけでそれだけそろえる必要はなく、冷蔵庫のものなど日常的にあるもの+備蓄品の総量で考えれば大丈夫ですが、水はストックがない家庭も少なくないので注意です。

■照明

懐中電灯をイメージする方も多いと思いますが、今やスマホに懐中電灯機能がついていることがほとんどなので、スマホ用バッテリーが十分にあれば必ずしも必要ないかもしれません(もちろんあるに越したことはありません)。盲点になりがちなのが、食事をしたり作業したりするとき用のランタンタイプなど設置して周囲を照らせるタイプ。懐中電灯タイプでもビニール袋やペットボトルを利用して周囲を照らす小技もありますが、ランタンタイプ等の照明はあると便利です。

■カセットコンロ・ガスボンベ

ガス管や電気インフラは災害時に止まる可能性がある上に復旧に時間を要しかねないため、カセットコンロとガスボンベがあれば加熱調理や湯沸かしができて便利です。特にミルクを飲む赤ちゃんがいる家庭では、お湯を沸かす手段は必須です。最近では「フェーズフリー」と言われ「日常時はもちろん、非常時にも役立てることができる」という考え方が、特別な備えという意識をもたずに防災ができるので重要と言われます。カセットコンロは日常的に食卓で鍋や鉄板料理を楽しむにも使えるので、「フェーズフリー」の概念にもマッチしているものの一つと言えるでしょう。

■簡易トイレ

食料品や照明に比べて見落とされがちですが、必須級の一つが簡易トイレです。水道管の破損等までいかなくとも、マンションの水道は電気を使ってポンプで上階に水を送る仕組みであるため、停電が起こればその間トイレは使えません。

■携帯電話用バッテリー

やはり情報は命です。普段使うモバイルバッテリーでも、使いすぎなければ数日後の電気復旧まで持つ期待はできます。数万円しますが大型の非常用バッテリーも様々な商品がありますので、心配であればそうしたものを用意してもいいかもしれません。大型バッテリーは家電にも使えますが、数十万円クラスのものでないと電気ケトルやIHクッキングヒーターなど加熱系の家電にはパワー不足なので注意が必要です。

■ポリ袋・ラップ

電気・水が使えない状況でも、ポリ袋で食材を混ぜて簡易調理したり、ラップをまな板に敷くことで洗わなくても済むようにしたりと、応用がきくグッズです。使用した後そのまま捨てればいいだけなので、各種インフラが途絶えた中でも役立ちます。

■その他

電池、常備薬、生理用品、ウェットティッシュなどもストックしておくと安心です。車を使う方ですと、EV車であれば災害時の非常電源としての活用もできます。

<おわりに>

耐震基準に達していないマンションや、浸水想定エリアの1~2階などでなければ、基本的には発災時でも避難所ではなく自宅マンションにいながらの生活=「在宅避難」になります。

そのため、上記でご紹介した「ローリングストック」や「フェーズフリー」といった日常生活の延長で防災力を強化する、という考え方が大事になってきます。

普段の生活を少し見直して、無理なく防災力を高めてはいかがでしょうか。

参考:

フェーズフリーとは|一般社団法人フェーズフリー協会 https://phasefree.or.jp/phasefree.html

防災ブック「東京防災」|東京都防災ホームページ https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1002147/index.html


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